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物産展情報を気ままに綴ります。
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北海道物産展を担当するバイヤーが必ず足を踏み入れる場所があります。
これに来ないバイヤーはモグリです。断言します。

(もちろん事情があって来れないこともあるでしょうが。
私も昨年は個人的事情で参加しませんでした)

a4bf1fea.jpeg社団法人北海道貿易物産振興会が主催する
「北海道産品取引商談会」です。

毎年6月半ばの火曜日・水曜日の
2日間にわたって行われます。

今年(2009年)で第25回を数え、
今年も6月16日・17日に開催されました。


北海道貿易物産振興会とは北海道(北海道の人は「道庁」と呼びます。
ほかの県は「県」とは呼びますが「県庁」とは呼びません)の外郭団体です。

公式サイトによると「北海道の貿易振興と道産品の販路拡大を推進する機関として、
昭和39年(1964年)に設立された社団法人」 だそうです。
道が直接営利事業を手がけられないということなのでしょう。
  • 国内外における道産品の取引の相談・斡旋、取引商談会、物産展等の開催
  • 国内外の市場情報等の収集
  • 関係機関と連携した貿易コンサルタントや各種講演会・セミナーの開催
  • 道産品展示即売所等の運営
が目的で、年40本前後の全国の北海道物産展の主催・後援を手がけています。
また、札幌駅の「どさんこプラザ」というアンテナショップも運営しています。


昨年までは札幌パークホテルが会場だったのですが、
今年はロイトン札幌というホテルに会場が変更されました。
なんかオトナの事情でもあったんでしょうか?

思うにパークホテルはススキノに近いのでおイタが過ぎるバイヤーが多すぎて
隔離されてしまったのかもしれません(笑)

今年も多くの物産展バイヤーさんがここを訪れたようです。
STVテレビのローカルニュースで見ただけでも、
銀座松屋の加藤さんや池袋東武の内田さんなど名物バイヤーがいたようです。

ここで百貨店に売り込んで(あるいはバイヤーに見初められて)
物産展デビューを果たす会社は結構多いのです。

ちなみに2日間あるうちの1日目が百貨店・スーパー・生協、特に物産展バイヤー向け
2日目が百貨店・スーパー・生協以外の卸売・小売・飲食・通販など向けです。

ということからも北海道が物産展にかける思いが伝わってくるというものです。
他の県の商談会などは、単に卸したいというメーカーさんばかりで
物産展の話をしても聞いてもらえないことも多くあります。

その点この北海道産品取引商談会は物産展にも興味がある
会社が多く物産展バイヤーには助かる商談会なのです。

今年は公式には280社以上のの出展者が参加しています。
でも実態はもっと多いと思います。

参加申し込みで外れてしまった会社が知り合いの小間(コマ)に
間借りさせてもらっていたりするのです。

私が見つけただけでもソフトクリーム屋さんの小間に
お漬物屋さんが出店したりしていました。

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 ここ5年ほど、物産展業界では「アンテナショップ」の導入がトレンドになりつつあります。昨(08年)秋の全国の北海道物産展ではアンテナショップが一気に大ブレイク。京都大丸・池袋西武・新宿京王・町田小田急・銀座松屋・新宿高島屋・名古屋名鉄などでアンテナショップが新規に導入されました。

本来アンテナショップとは、2つのタイプがあります。ひとつは地方自治体などが開設するもの。もうひとつは企業が開設するものです。これはショウルームとも言い換えられるかもしれません。もちろん物産展業界におけるトレンドとなっているのは前者です。

つまり狭義でのアンテナショップは地方自治体などが東京など大都市(つまり大消費地)で地元の産品・観光地や新製品などを紹介するために展示・小売する施設でありました。あるいはここを拠点に大都市の流通業者へ売り込みも図ります。そしてその大都市の消費者・流通業者の反応をフィードバックすることで、更なる商品開発や観光誘致などに活用するのです。

そのためにアンテナショップは以下の条件が求められます。
  1. 出来るだけ露出度の高い、集客の可能な立地
  2. 情報発信の容易な立地(マスメディアが集中している・立地的に注目されやすい地域)
  3. 商品供給の季節変動に対応するための常設性(旬・季節限定商品)
  4. 売上の季節変動に対応するための常設性(気温マーケティングなど)
  5. 設置場所の公共性(運営者が公共団体なら、特定の企業のテナントなどとしての出店はしにくい)
  6. 取扱商品の公平性(運営に税金・公費が投入されているなら地域の産品を公平に取り扱う)
その条件を満たすには、どうしても東京、しかも銀座・有楽町・新宿・青山などに集中する傾向があります。

ところが、その条件に合致しにくい物産展へのアンテナショップ進出が目立ちます。集客は出来ますが、1週間限りの臨時出店で、時期によってはよい商品が揃わない可能性もあります。そしてなにより設置場所が百貨店という私企業のイベント会場という意味では地方公共団体としては出店しにくい場所であります。

実はこの流れを作ったのが沖縄物産展でした。私が確認した限りではすでに2003年から全国の沖縄物産展でアンテナショップが出店していました。それに他の地域の物産展が追随していっていまのアンテナショップブームがあるのです。

というのも全国の沖縄物産展の多くは「株式会社沖縄県物産公社」が主催しています。沖縄県物産公社は物産協会(tokyobussanten.blog.shinobi.jp/Entry/3/参照)であるのですが、自社で製造・卸・小売も手がけています。その小売部門が「わしたショップ」です。

当時のわしたショップ出店の経緯はよく分かりませんが、すべて対面販売で、計量販売・実演販売が主流の物産展にセルフ販売・集中チェックアウト方式というショップが導入されたのは画期的でした。この意義や利点・問題点などはまた別の項で書くことにしましょう。話がかなり本筋から外れてしまいました。

さて、その元祖「アンテナショップ」物産展に今回は行ってきました。と、いってもアンテナショップは会場のホンの一部です。会場の1割弱の面積を占めているに過ぎません。

エレベータを出るといきなり「婦人服飾品売りつくしセール」でびっくりしました。実は秋から阪神・阪急ともに改装があるのでその「生まれ変わり売りつくし」セールのスタートと重なったのです。ですので、「めんそーれ沖縄味と技展」は婦人服飾品を乗り越えていかなければ行けません。

ただこのことが、沖縄物産展にはプラスでした。新型インフルエンザ・景気低迷にもかかわらず集客は順調で、初日は前年2割増しの売上だったということです。梅田阪急が(新型インフルエンザピーク前の)ゴールデンウィークに開催した北海道物産展は薬師寺バイヤーがテレビでも宣伝しまくったのに、売上がかなり悪かったそうです。もっとも今年のゴールデンウィークは曜日の配列が良すぎたので客が遠出してしまったのもあるのでしょうが。

とりあえずエスカレータ脇に山積みの広告をもらいました。今回の広告はB4版4ページとなかなか大々的に取り上げています。広告のテーマは「うちなーんちゅ(沖縄人)の太鼓判、続々!」ということで那覇・国際通りのショップ店員・食べ歩きが趣味の主婦・タクシー運転手の3名の沖縄県民のカミングアウト((c)秘密のケンミンショー)で商品を紹介しています。

このようなテーマはかつて立川高島屋がサンケイリビングの多摩版と組んで北海道物産展でやっていたのがありましたが、あの時はサンケイリビング読者の女性がバイヤーと一緒に出店商談をするというものでした。地元の人が紹介してくれるというと、なんだか本当に掘り出し物があるみたいで期待が持てるというものです。

表紙で大きく取り上げられているのは[南城市/そば処 玉家]のソーキそば、[Paradise CAFE]のおっぱ牛乳のカスタードプリン、[恩納村/琉冰(りゅうぴん)]のアイスマウンテン(フルーツ載せかき氷)、[包(ぱお)]のもずくまんじゅう、[ゴーディーズ]のカツサンド、[カネマサミート]のあぐー(豚)のてびち・らふてぃという初登場のお店ばかりです。

今回私が目当てだったのは玉家さんのそばでした。以前沖縄に行った際に食べたことがあって、もう一度食べたいと思っていたのです。着いたのが12時半過ぎということもあり、既に大行列。30席ほどのお食事処は満席でさらに20人ほど並んでいました。

平日なのでサラリーマン・OLさんが多く並んでいました。待っている間お食事処の2軒隣の三線屋の[宮古木工芸]から三線の音色が聞こえてきてリゾート気分がさらに盛り上がります。お陰で15分ほど待ちましたが意外に苦にならずに済みました。 

食券を買って厨房前の席に案内されました。厨房はもう戦場でした。特に声とかはしないのですが、黙々ともんな手を動かしている状態。でも手際よさそうです。そりゃそうですよね。玉家さんといえば現地でも行列の出来る店です。このくらいは慣れっこでしょう。席に案内されてから5分ほどでそばが出てきました。

e36c8b16.jpeg これが玉家さんのソーキそば。税込801円。ソーキ(ちょうどスペアリブの部位ですね)がごろっと3カタマリほど入っています。あとは島かまぶく(かまぼこ)のスライスとねぎがトッピング。

現地では皿盛のふーちば(よもぎ)が薬味として各テーブルに置いてあって盛り放題なのですが(あまり盛ると青臭くて虫になった気分になります)、残念ながらここには置いてませんでした。淀川河川敷にたくさん生えてるのに(笑)


27615008.jpeg そばはかなり白い若干平打ち気味の自家製麺。沖縄そばはもっと黄色くて比較的ゴリゴリしていてコシがあって、噛み締めるとちょっとボソボソ感のあるのが多いのですが、ここのはツルツルしていてコシはあるのですがシコシコしていて、噛み応えはあくまで滑らかです。

たぶん大阪人にはこの食感ウケると思います。大阪のうどんもツルツルしていて柔らかいのですが、沖縄そばの中では一番これが近いのです。


しかもだしがいいのです。沖縄そばは通常豚と鰹でだしを取ります。ですから九州の豚骨ラーメンとまではいかなくても豚の臭みがあります。でもここのだしは臭みはなくうまみだけが残ります。そして鰹の良い風味が際立つのです。

私はふだん辛いのが好きなのと、臭み消しもかねてコーレグース(島唐辛子の泡盛漬け)を結構かけるのですが、ここのはかけるのが勿体無いくらい。もしかけたいなら半分食べた後で味を変えるために使うのが良いでしょう。

233ec376.jpeg さてソーキも食べてみましょう。どうです、大きいでしょう。脂も乗ってすごいボリューム感です。二日酔いの時には躊躇しますね。

でも意外や意外、実はさっぱりしています。らふてぃもそうなのですが、沖縄の煮豚は泡盛で煮ていきます。そうすることでさっぱり仕上がりますし、余計な脂も抜けていきます。残った脂もコラーゲンになっていてふわふわぷりぷりです。


しかもしっかり煮てあるので赤身の部分も柔らかいのです。見た目はごつくても箸で切れるほどの柔らかさ。しかもあばら骨まで柔らかくて、噛んだら歯型が残るくらい。軟骨部分なら食べてしまえそうです。もちろん食べる必要はないので、ガラ入れの皿も用意されてきます。

久しぶりの玉家さんに一心不乱に食べてしまいました。ごちそうさまでした。

その他の出展者
地名 出展者 商品 備考
那覇市 うちなぁ家 夕飯定食 お食事処
那覇市 ラフォンテ やんばる島豚ハムと沖縄産トマトスープパスタ お食事処
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
那覇市 わしたショップ 沖縄県特産品 アンテナショップ

追記
予算:12000万(16000万売れる新宿伊勢丹についで2番目の売上だそうで)

(初出:2005年7月9日)

相変わらず、お中元商戦が続いております。
1番のピークは先週だったのでしょうが、今週が2番目のピークのはず。

というわけで、相変わらず物産展は開催されておりません。
気がついたら、この1週間物産展に関連の無い記事ばかりアップしておりました。

というわけで、今日こそは物産展の話題。
物産展を開催するにはお世話にならなければならない役所が二つあります。
消防署と保健所です。

まずは、消防署関連。
駅や百貨店は不特定多数の人が出入りする空間であるため、
通常よりもかなり厳しい消防法の規制があります。
(一般家庭にも火災報知機の設置を義務付けるという
動きがありはするようですが)

たしかに混雑時に火事が起きると
大変なことになりそうですよね。
かつて、銀座松屋・熊本大洋デパートなど
百貨店の火災で死傷者が出たことがありました。

では、その規制とはどのようなものかというと、
①火災発生のリスクを最小限にする
②延焼しない設備を設置する
③避難・誘導体制を整備する
この3点につきます。

そのために、消防法や建築基準法で
スプリンクラー・消火栓の設置、避難階段・通路の確保、
自衛消防隊の設置・消防訓練の定期的実施、
といったことが義務付けられています。

物産展に関連しては、
防火区画外では裸火が使用できない、
防炎加工していない布製の装飾物の持込が出来ない、
2箇所以上の避難階段に接続することのできる
幅2メートル以上の避難通路を確保する必要がある、
といった規制があります。

ですから、ガスコンロは絶対に会場では使用できません。
会場では電気コンロ、電磁調理器を使用することになります。

もちろん、防火壁・強制排気装置などを設置した
厨房(いわゆる防火区画)では使用できます。

また、出店者が持ち込む暖簾は必ず防炎加工する必要があります。
(でも、布製でも商品は防炎加工されていないのですが…)

そのほかに、400℃を超える熱を出す器具を使用する場合、
禁止行為解除申請という書類を、図面・器具の仕様書を添付して
消防署に提出することになります。
これらの業務は百貨店では保安関連部署が行うのが通常です。

これを提出すると、物産展の初日の朝に消防署が査察を行って、
許可することになります。

さて、保健所関連。
こちらは、単純に百貨店だから規制が厳しいということはありません。
しかし、食品衛生法では商売として食品を製造・販売(つまり営業行為)
するとなるとこちらも厳しい規制があります。

こちらも食中毒が発生すると大規模になりがちなので
非常に慎重に対処しなければなりません。

かつて、北関東の北海道物産展でも「かきめし」から
食中毒が発生したこともありました。
こうした場合、営業停止処分になります。

特に物産展の場合、普段は食品を扱う場所でないところで食品を扱うので、
物産展の度に保健所に営業許可の申請を出すことになります。

どのような営業許可があるかというと…
 
 
食料品等販売業 食料品を販売する際はかならず要申請 都道府県食品衛生指導(的な)条例
飲食店営業 弁当・惣菜の製造 食品衛生法
喫茶店営業 飲料などのイートイン向け販売 食品衛生法
菓子製造業 菓子・パンの製造 食品衛生法
食肉販売業 精肉の販売 食品衛生法
乳類販売業 牛乳の販売 食品衛生法
魚介類販売業 鮮魚の販売 食品衛生法
アイスクリーム製造業 ソフトクリームの製造販売 食品衛生法
など。

こちらも、食品衛生法で定められた施設を設置して
図面を添えて、営業許可の申請書を保健所に提出することになります。
(実際には、申請時には施設が設置されていないので
施設図面を提出するだけです)

施設とは、手洗い器・シンクなどの洗浄設備や
冷蔵・冷凍設備など普通の家庭でも必要なものです。
ただしそのサイズなどの仕様はかなり細かく規定されています。

まれに、保健所の指導が厳しい地域では、
製造実演は実演囲いが必要であるということで
実演区画が設置されることがあります。
たとえば、池袋地区とか。

そして、こちらも物産展初日の朝
保健所が査察に来て営業許可が出されます。
百貨店では食品関連か品質保証関連の部署が
これらの業務を行っています。

そう、消防署も保健所も初日の朝に来るんですね。
百貨店の物産展担当者は大変です。

ちなみに、食品衛生法では商品表示が義務付けられています。
(計量販売の場合は口頭で説明するという前提で不要)
名称・原材料・内容量・保存方法・賞味(消費)期限・製造者・所在地です。
これも、結構チェックを受けます。

また、薬事法の規制もあります。
健康食品、健康器具で「効果・効能」表示は禁止されています。
「癌に効く」とか「血糖値が下がった」などとは言えないのです。

雑誌・書籍を横においてあることがありますが、あれも違法。
出版自体は「表現の自由」ですから問題ないのですが、
あれを販売ツールには使用できないのです。


かなり大雑把に書きましたが、このような仕組みがあるからこそ
物産展で安心して買物が出来るようになっているのです。
(初出:2005年6月21日)

物産展に出店している多くの会社は、
それほど規模の大きい会社ではありません。
むしろ小さい会社が多いでしょう。
家族経営のところも少なくありません。

そんな会社が物産展に出店するのは
容易なことではないのです。

なにしろ、地元から東京(に限らず物産展の会場)までの交通費、
そして開催期間中の宿泊費もかかるのです。

それ以前に地元の商売もあるので、
会社や店を閉めてくることもできません。
商品を地元の小売店などに卸している会社は、
工場も稼動させ続けています。

しかし、物産展は通常10時ごろに開店してから
8時ごろに閉店するまで営業しています。
そうすると、営業時間中に食事や休憩、そして商品補充のために
倉庫にも行くことも必要です。

そうなると、最低でも2人は販売員がいなければ営業できません。
できれば、早番・遅番でシフトを組みたいところですから、
3人以上いることが望ましいでしょう。

しかし、先ほど述べたように、
経済的理由・物理的理由から、2人以上東京まで
出張してくるのは困難です。

そこで、出店者はいろいろ手段を考えます。
1つは、東京の親戚・知人友人に手伝ってもらう、
というのがあります。

しかし、そんなに都合よく行くことはまれです。
そんな時、強力な助っ人があります。

それが、マネキンです。

マネキンとは、販売専門の人材派遣業から
派遣されてくる(ほとんどが女性の)販売員のことです。
マネキンは通常特定のマネキン紹介所に登録していて、
紹介所を通じて依頼があると出向いて販売をするのです。

マネキンは通常日給制で、10000円くらい。
それに、残業代や交通費が別途加算されます。
これを、マネキンの口座に入金します。

そして、3000円くらいが別途紹介手数料として
紹介所から請求されます。
これは、紹介所の口座に振り込むことになります。

(多少時間が前後するかもしれませんが、)
大体9時30分-6時の早番と、11時30分-8時の遅番で
販売に従事します。

服装は通常黒いスカートに白いブラウス。
靴は黒の革靴で、ストッキングは黒紺か白。
物産展の場合、地元からきた人は意外と
服装に無頓着ですから、すぐに見分けがつきます。
さらに、言葉に訛りがないですからね。

マネキンは販売専門業なので、売ることにかけては
非常に長けています。
場合によっては、特定の百貨店で従事し続けているため、
マネキン自体がお得意さんを持っていることもあります。

ですから、皮肉なことに商品については
一番詳しいはずの出店者よりも売れることもあります。
すると、出店者によっては、マネキンを次回から
指名して派遣してもらうようになって、
半ば専属化(半ば社員化)することすらあります。

雇うほうの出店者にとっても、
毎回、商品について、取扱い方について
いちいち説明するのは面倒でもありますからね。

それに、百貨店の就業ルールや運営方法は
大体のところは同じですから、
マネキンはそれも心得ているので、
初めて、とか年1回だけ地元からやってくる
出店者にとっては、いろいろ教えてもらえる、
というメリットもあります。

多くの場合、店舗ごとに頻繁に出入りする
マネキン紹介所が決まっている上に
多くの物産展では、出店者に対して
百貨店がマネキン紹介所を斡旋するので
さらにその傾向は強まります。

たとえば、池袋東武の物産展のマネキンは、
大体が豊島区南大塚にあるマネキン紹介所から
の派遣です。

池袋東武が斡旋してるかどうかは知りませんけど。

経験豊富なマネキンや有能なマネキンは
お客さんの動向や、何が売れるかを
把握しているので、場合によっては
出店者に助言したりまでします。

(まれに、指図された、といって
不愉快になる出店者もいますけど…^_^;)

また、紹介所もマネキン1人1人の適性を知っているので、
例えば、ケーキには若い人、海産物には威勢のいい元気な人、
といった適材適所で派遣してきます。

こういう存在があるから、出店できる会社も多いわけで、
物産展にとっては欠かせない存在なのです。

ちなみに、マネキンは物産展だけではなく
地下の食料品売場や衣料品にも多くいます。
だから、地下の催事場などでは、
毎週会社が入れ替わっても
毎週同じ人がいたりするわけですね。

ちなみに、マネキン以外にも
学生専門の人材派遣(マネキンよりは
給料が安いが、販売力は劣る)や、
イートインの配膳を専門に手掛ける
配膳会という組織もあります。

配膳会はホテルや結婚式場などにも
宴会の際は派遣されたりもします。

あと、驚いたことに、寿司職人の
派遣を手掛ける人材派遣もあります。
いやー、この存在を知ったときは
本当にビックリしました。
(初出:2005年4月4日)

物産展の舞台となる、デパートのイベント会場。
(デパートによって呼び方はさまざまです。
高島屋さんは催会場、東急百さんは催物場とか)

イベント会場はさまざまな催し物に使われます。
もちろん物産展もありますが、
ある時は婦人服バーゲンだったり、ある時はワコールのバーゲンだったり、
ある時はベビー服・子供服バーゲンだったり、ある時は古書市だったり、
ある時は生け花展だったり、ある時は美術展だったり。

その催し物は通常1週間単位で入れ替わります。
短いときには3日間くらいのときもあります。
ということは、年に最低52回の入れ替えがあるということなんです。

しかも、極端な場合、昨日まで服を売っていた場所が、次の日には食品売場になるのです。
それも、1晩か長い場合でも、中1日で入れ替わるのです。

商品の入れ替えはそれぞれの出店者が
梱包から運搬までするのでそれほど困難ではりません。
ところが、服を掛けているハンガー、ガラスのケース
あるいは食品の冷蔵や冷凍のケース
(こういった商品を陳列するさまざまなケースなどを
業界用語で什器といいます)
は誰が入れ替えるのでしょうか。

そもそも、使ってない什器はどこに保管されているのでしょう?
デパートの倉庫なんでしょうか?

じつは、あの多くの什器はほとんど(おそらく95%以上)が
リースされているものなのです。

ですから、リース会社が毎週すべて入れ替えているのです。
もちろん使わない什器は、リース会社の倉庫に保管されるわけなんです。

東京では、デパート相手に什器リースする会社が何社もあります。
大手は山元(やまげん)・大洋工芸・七彩(ななさい)・
コスモ企画・東京マネキン(東マネ)といったところでしょう。

これらの会社は、毎週入れ替え日の夕方になると
倉庫からトラックで次の催し物の什器を運んできます。

そして、催し物が終わって、出店者が商品を運び出します。
空になった什器をリース会社の作業員がコンパクトにたたんで、運び出します。
そう、ほとんどの什器がかさばらないように、折りたたみ可能なのです。

そして、つぎ使う什器はたたんだままトラックから下ろされています。
その空になったトラックに倉庫に戻す什器を運び込んでいきます。

そして空になった、イベント会場には倉庫から来た什器が運び込まれて、
組み立てられていくのです。

彼らの仕事は、夕方から深夜に及びます。
時には、什器が足りなくて、たとえば千葉で使っていた什器を撤収してきて
それを待って、搬入して組み立てることもあります。

その待ちで深夜に終わればよいのですが、翌朝まで搬入することもあります。
なかなかハードな仕事です。

しかも、店によっては搬入する場所がひどい事もあります。
渋谷の東急東横店は、なんとモアイ像の脇から搬入です。
通行人も多いところだけに事故の危険もあり、気が抜けません。

あと、新宿の某百貨店は、別館から搬入するので、
1F→B4F→本館に水平移動→各階という、
すさまじく遠回りだと聞いたことがあります。
(しかも、入れ替え日のエレベーターは
全館でも入れ替えなのでなかなか来ない上に、乗れないことも)


リース会社がリースするものはいろいろあります。
物産展関係でも、平らな陳列台、冷蔵オープンケース、冷凍オープンケース、
冷蔵斜面ケース(よくケーキとかが入っている)、実演台、コールドテーブル、
ネタケース、ボイラー(蒸し器)、フライヤー(揚げ物器)、グリラー(焼器)
イートイン用のテーブル、いす、やかん、急須、コップ、湯のみ
寸胴鍋、ガス炊飯器、電気炊飯器…

挙げていくときりがありません。

面白いところでは、回転寿司のレーンというのもあります。
高島屋さんの北海道展でまれに見ることが出来ます。

とにかく什器リース会社という存在がなければ、物産展は成り立たないのです。

5a008f36.jpeg
というわけで、今日の写真はおそらく業界最大手の
山元さんのアルバイト作業員がつける腕章です。
(なんで持ってるんだろう?自分でも不思議です)





※4月13日追加
アルバイト作業員の派遣会社(札幌)のHP発見しました。
業界用語集になってるから、彼らの仕事が垣間見えるかも。
http://sapporo.cool.ne.jp/gakuso/yougo.htm
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[12/12 idpdkxhufp]
[12/12 wvpogtdimu]
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[12/11 ekgiuzsmxh]
HN:
トーキョー物産展マニア
性別:
非公開
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