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物産展情報を気ままに綴ります。
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物産展の開催時期の変更というのは百貨店にとっても、出展者ににとっても大きなリスクとなります。

1.競合店と開催時期が重なる→客の取り合いで売上が伸び悩む
2.(特に同じ地域を扱うもので)規模の大きい物産展と重なる→出展者が集まらず魅力のない物産展になる
→出展者のスケジュール調整が困難になる
3.常連客が開催時期が変更になったことを知らない→客数が伸び悩む

といった問題が予想されます。

例年6月の上旬から中旬にかけて開催される京都伊勢丹の北海道物産展ですが、
今年は7月の下旬に開催時期が変更されました。
さぞかし変更でいろいろ苦労したのではないでしょうか。

1.梅田大丸の北海道物産展と重複した→大阪北部の客は来なかったのでは?
2.梅田大丸の北海道物産展と重複した→ちょっと例年より出展者が物足りない印象が…
3.常連客が開催時期が変更になったことを知らない→ちょっと客数が少なかった気が。

とはいえ梅田大丸も今年開催したのは初めてだったそうで、
京都伊勢丹の人にとっては寝耳に水だったでしょうね。

この時期に変更した理由は二つあるようです。
1.ある季節限定商品を取り扱いたかったから
2.京都大丸の北海道物産展に先制したかったから

その季節限定商品とはとは、「うに」です。
広告の中面でもかなり大きく取り上げられていますが、
利尻のエゾバフンウニが7月から8月上旬のこの時期だけ解禁されています。
だからこれを扱うためにこの時期に開催期間を変更したそうです。

京都大丸への先制はちょっと失敗してるかもしれません。
いつものパン屋さんやコロッケ屋さんなどはおそらく京都大丸に引っ張られたのでしょう。

信州うまいもの展と同様でギフトセンターと同時開催でしたので、
面積が狭くなっていました。
そのせいか出展者の顔ぶれもいつもより寂しい感じでした。

ひとつは梅田大丸と重なったということもあるのかもしれませんが、
ギフトセンターと同時開催ということで、力が入ってない気もしました。
もうちょっとはっきり書くと催事屋さんぽいところが多い気がしました。

さて、とりあえず今回のお目当てはなにはともあれうにです。
20090724.jpgb32ce21f.jpeg







冷蔵オープンケースに入ってるのにさらにこんな感じで厳重に冷やされています。

何度も書きますが、利尻のエゾバフンウニが解禁なのはこの時期だけです。
それを塩水で漬けて全国に送り出してくるのです。

漫画の『美味しんぼ』でも取り上げられていましたが、
利尻昆布というのは京都の料亭などで使用される最高級だし昆布です。

海原雄山がこの昆布に穴が開いているのを見つけて、
ゴキブリに食われたのだと思って、弟子を叱責するする話があります。

それを山岡士郎が、エゾバフンウニが食べた跡だと看破して、
その弟子を救うというオチでした。

そう利尻のエゾバフンウニは利尻昆布を食べているのです。
だから他のエゾバフンウニよりも旨みを蓄えているのです。

また、よく魚屋さんで売っている船に乗っけられているのは、
ミョウバンで固めたてあるものです。
だから食べると多少えぐみがあったりします。

そしてこの時期を逃すとすべて塩うになどに加工されてしまいます。
だから美味しい生(エゾバフン)うにを食べられるのはこの時期だけなのです!
あ、ついついコーフンしてしまいました。

売っていたのは利尻の利尻富士町/北洋食産というお店。
配送の依頼をしたついでに、試食させてもらいました。
10222906.jpeg試食用のうにが美味しそうにざるに盛られています。
本当にきれいな色をしています。

塩うにと違って塩で水分を抜いたりしていないので
ぷるぷるとして今にも崩れそうです。



60129c1f.jpeg透明なフィルムに載せてもらって食べます。
かなりサービスして載せてくれました。

甘い!淡い味ですが、甘い。
しょっぱさはほとんどありません。



売っている人によると酢飯には味が負けるので、
白飯でうに丼にするのが最高の食べ方だそうです。

この後東京に向かう用事があったので、
弁当とおかずを物色しました。

3c50e5d9.jpegひとつは札幌市/豊平館の弁当。

豊平館はススキノの南の中島公園にある建物です。
明治13年に明治天皇の札幌行幸にあたって建造された
ご宿泊所で、国の重要文化財にも指定されています。

ステーキ弁当などがあったのですが、
ホタテも食べたかったのでこれにしました。1365円。
d4f4933d.jpeg
肉も柔らかいのですが、
ホタテが柔らかいんです。箸でちぎれます。
中はレア状態。




38ac942b.jpegおかずはこれ。小樽市/なると屋の鳥の唐揚げ。
1個137円。

ザンギが有名というと小樽市のニューなるとが有名ですが
ニューなるととの関係は不明です。



3cc98efc.jpg朝里(小樽と札幌の中間くらい)に本店があるようですね。







ebc5dad7.jpegゴロっと大きいです。
見た目以上にボリューム満点。

肉も柔らかくて美味しかったですよ。
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7月12日の記事で物産展の乱発に憂慮していると書いたのですが、今回の物産展もその一つです。
今まで秋と春の年2回開催だった梅田大丸がこの時期に北海道物産展を新規に開催しています。

梅田大丸の入居するアクティ大阪が2011年に増床して、大丸も全面改装するそうです。
それに備えての「全館全力売りつくし」中なので
その目玉企画として北海道物産展を持ってきたという事情もあるようです。

ところで大阪の物産展はバイヤーのキャラが立っています。
うめだ阪急の薬師寺さん、なんば(正確には関西各店担当の)高島屋の早崎さんが有名です。

それもそのはず、物産展の広告に写真やイラストでバイヤーさんが顔を出していて、
「熱血バイヤー 薬師寺が行く!」みたいなキャッチコピーが出てるんですから。
私だったら恥ずかしいので絶対お断りします(笑)

そういえば大阪の日本旅行にも名物添乗員の平田さんという人がいます。
名物バイヤーだの名物添乗員というのは大阪ならではの存在なのかもしれません。

ということで関西各店の大丸にも名物バイヤーが登場しました。
本田バイヤーです。札幌駐在で北海道物産展専任だとか。おそらく30台くらいの方です。

まだまだ偉大な先輩の後ろで霞みがちですが、
しっかりと広告やテレビ番組にも登場して売込み中です。

22日からの開催だったのですが、22日は日食観察をしていました。
ですので23日に行ってきました。

折りしも1年でもっとも暑いといわれる二十四節気の「大暑」の日でありました。
この日の大阪は最高気温が33℃を超えていて本当に暑い日でした。
やはり広告の一押しもアイス・ジェラート・ソフトクリームでした。

B4判表裏の広告の約1/5が
中札内村/花畑牧場のアイスクリーム、
長沼町/あいすの家のソフトクリーム、
浜中町/ファームデザインズのソフトクリーム、
札幌市/レ・ディ・ローマのジェラートで占められています。

hanabatake.JPG特に中札内村/花畑牧場の「ホットキャラメルアイスクリーム」が
大きく取り上げられています。
ということで大行列になっています。

東京では原宿やら銀座にも店ができて希少性がなくなっているようですが、
大阪ではまだまだブームのようです。



逆に他のソフトクリームやジェラート屋さんは少し手持ち無沙汰のようでした。
ファームデザインズはプリンやチーズケーキなど他にも売りものがあるのですから、
別の商品を広告に出したほうが良かったのではないかと思います。

そのほか行列していたのは、イートインがほとんどです。
花畑牧場ホエー豚亭のホエー豚丼、
札幌市/らぁめん道場 黒帯のラーメン、
北見市/居食酒屋 団欒のカニ入りオホーツク北見塩やきそばが行列していました。

イートインの小樽市/うしお亭、函館市/いくら亭や
海鮮系弁当の札幌市/北海岸、札幌市/酒殿 多聞天、釧路市/清味屋などは閑散としていました。
暑いと海鮮は忌避されるのかもしれません。

ちょうどお昼時だったのでラーメンを食べてみることにしました。
ホエー豚丼は池袋西武で食べましたが、脂っぽいだけです。
体調が悪いと吐き気がしそうなくらい脂だらけです。
量も少ないのに値段が高くて食べる気がしません。

広告でも「バイヤー本田が今いちばんおすすめの店」ということで期待が盛り上がります。
10分ほど待って入ることができました。

広告では<大丸限定>みそらぁめん1155円が掲載されていましたが、
大丸の人に聞くと煮卵が載っていて、チャーシューが増量されているだけだということなので、
みそらぁめん890円にしました。
しょうゆもあるのですが、みそが売りの店だそうです。

30席ほどなのですが、食券を渡してから10分以上かかりました。
どうやら配膳が不慣れのようです。

茹麺機の仕様で8杯くらい一気に仕上がるようなのですが、
配膳が遅いのでラーメン屋さんの人が少しイラッとしているのが顔に出ていました。

やはりラーメン屋さんとしては美味しい状態で食べてほしいので、
すぐに出してほしいのでしょう。

私のときも仕上がったラーメンが1分くらい放置されていて、
ラーメン屋さんが「お願いします」と配膳の人に声をかけていました。

しかも4人くらい居るのに、食べ終わった食器を片付けたりして
配膳が遅いわ、卓番号を確認しながら配膳していて
8杯出すのに3分くらいかかっていました。

しかも私のは8杯目でしたorz
f8c9475a.jpgこれが、みそらぁめん。
チャーシュー、メンマ、ねぎ、
もやしとキャベツの炒めたものが
トッピングされています。

スープの最初のひとくちは塩分薄めで、脂も少なめで
札幌ラーメンらしからぬ味わいでした。


b7835e9d.jpg麺はやや縮れていますが、
西山製麺やさがみやや森住のような硬さがなく、
これまた札幌ぽくない麺です。

ひょっとして麺がのびちゃったのかもしれません。
ただ大阪の人にとっては札幌の麺の固さは
とっつきにくいかもしれないので
わざと柔らかめに茹でてるのかもしれません。

食べ進めていくとスープは次第にコクが感じられるようになってきました。
野菜のスープが出ていて甘い感じですが、みその風味もします。

塩分が薄いのも大阪向け仕様なのかも知れません。
札幌ラーメンで有名なすみれも九州に行くと半分くらい残して戻ってくるといいますから。

このラーメンの秀逸なのはチャーシューでした。
炭火で炙っているのだと思いますがすごく香ばしくて美味しかったです。

向かいの席にいた親子が、「めっちゃ柔らかいわぁ」って感動するほど
とろとろで脂身が多いのですが、炭火の香ばしさでさっぱりと食べられました。

逆に問題なのはやはり配膳でしょう。
私の時には聞かれなかったのですが、「麺は固めにしますか?普通でよろしいですか?」って
聞かれているお客さんもいたりしました。

もし聞いてくれれば、私は固めを食べたかったのですが。

また、配膳の順番を間違っていて隣のお客さんが怒っていました。
卓番号が覚え切れていないようで、いちいち確認しながら配膳していました。

やはりこれでは回転が落ちてしまうので、
ラーメン屋さんにとっては機会損失が大きいのではないでしょうか。

5cb747b8.jpgあと残念なのは、レンゲです。
器の大きさに比べてレンゲの柄が短すぎです。

作り手に敬意を表してラーメンのスープを飲み干す
私のようなメタボにとっては、
最後のスープがすくい難くて困っちゃいました。



今回大丸でもセルフ販売方式のアンテナショップ<どさんこショップ>が設けられていました。
ちょうどホエー豚亭の向かい側のところです。

このエリアはホエー豚亭の行列もあってものすごく狭くなっていました。

dosanko3.JPG新宿高島屋や名古屋名鉄や立川伊勢丹で出店している
北海道どさんこプラザや北海道百科とは違う出展者のようです。

品揃えは似ていましたが、微妙に違うようです。
価格も少し高いようですし、乳製品や日配品が弱いようです。
やはりロスが多いのでしょうか。


札幌大丸に「北ほっぺ」という道産食品ショップがあるので、そこが運営しているのでしょうか?
そうであれば十勝正直村が運営者なのですが、十勝正直村の商品は並んでいませんでした。

dosannko1.JPGまたコーナーの半分は函館市/山丁長谷川商店の
商品が並んでいました。

魚卵や生珍味や昆布などの海産物が並んでいました。




ちょくちょく買い物しているお客さんもいました。
でも購入点数が2個とか3個どまりで少ないようです。

通路を広く取ればゆっくり買い物できるので購入点数が増えてもっと売れると思うのですが。

d21f3d16.jpg帰りに札幌市/ロイズコンフェクトの
新商品「ポテトチップチョコレート フロマージュブラン」693円と
生チョコレートの7月限定品「ダージリン」693円を購入してきました。

ポテトチップチョコレートはフロマージュブランとというからには
チーズが入っているのでしょうが、チーズの風味はしませんでした。


9506f5e5.jpg








その他の出展社

小樽市/小樽洋菓子舗ルタオ
砂川市/北菓楼
砂川市/ホリ
札幌市/洋菓子きのとや
帯広市/六花亭
札幌市/スイートオーケストラ
函館市/ペイストリースナッフルス
滝川市/レラ フロマージュ
札幌市/ろまん亭
帯広市/十勝ドーナツファーム
札幌市/Z:cCot(ズコット)
札幌市/マルキタプリン本舗
帯広市/十勝ベーグル
札幌市/神龍
札幌市/じゃがいもHOUSE
函館市/ヤマサ宮原かまぼこ
苫小牧市/農研百姓塾
大金ハム
北見市/北見ハッカ通商
白老町/白老温泉ホテル
札幌市/札幌養蜂園
紋別市/紋別おさかなよりあい会
苫小牧市/王子サーモン
函館市/船岡商店
寿都町/山下水産    など。

(初出:2005年7月26日)

宅配便のトップブランドかつ、パイオニアであるヤマト運輸が、
宅配便を開始したのはわずか30年程前のことです。

ヤマト運輸の社史によると、1976年1月に
取り扱いが始まりました。当時は関東近県のみでした。

(先日亡くなった小倉元社長の日本経済新聞連載の
「私の履歴書」にもあるように、運輸省との
運送業の路線認可をめぐって、大変な戦いが
繰り広げられ、全国にネットワークを広げるのには
時間がかかりました。)

いまでは、日本全国に、1個から、迅速に(ほぼ翌日)、比較的安価で、便利に
荷物を送れるのは当たり前になりました。

それどころか、日付指定ひいては時間指定も可能になりました。
そして冷蔵や冷凍で荷物を送れるようになっています。

かつて宅配便が登場する以前の物流手段は、
極めて限られたものでした。

まず、小口輸送自体が比較的高価でした。
また郵便小包か鉄道小荷物(チッキ)しかなく、
時間もかかりました。

翌日というのは近距離で無い限り不可能で、
日付指定などは望むべくもありませんでした。
※受付日で1日、400kmごとに
1日かかるというのが目安でした。

しかも、集荷は無いので郵便局や駅に持ち込む必要がありました。
配達ができるのは郵便小包のみで、
鉄道小荷物は駅まで取りに行く必要があったのです。

大口輸送は比較的安価であったもの、
時間がかかるのは同じでした。
当時はトラックをチャーターするか、
コンテナなどを使用して、
トラック輸送と組み合わせて鉄道貨物で
輸送するしかありませんでした。

このような状況で当時の物産展の物流は困難を極めました。
出店者自らトラックを運転したり、チャーターしたり、
或いは鉄道貨物で運んだりしていたのです。
当然低温物流は望むべくもありませんでした。

このころは、たとえば北海道物産展で
じゃがいも・たまねぎ・豆・昆布や身欠きにしんを
東京に持ってくること自体が奇跡に近いことでした。
とてもよく売れたといいます。

しかも、鉄道貨物輸送でしたから、
カビが生えていて、それを払い落として
販売したこともあったというのです。

客の側も、それを諒として購入していたというのです。
いまではとても考えられないことです。

しかも、物流に時間がかかるため、
1週間の物産展では、売れ筋の商品が追送できず、
売り切れても商品の追加は不可能でした。

このころ低温物流といえば、保冷車などなく、
トラックに氷やドライアイスを満載にして
商品を運んでいました。

かろうじて低温物流は可能でしたが、
近距離に限られ、長距離の定温物流は不可能だったのです。

低温での定温物流が可能になったのは
機械式保冷車の登場がきっかけです。

低温物流の大手ランテックによると、
1972年ごろのことです。
しかし、九州など限られた地域での事業でした。

ヤマト運輸も徐々にクール便事業を開始しますが、
全国ネットワークを構築し終えたのは1988年のことでした。

しかし、このクール便によって、
物産展の商品構成は自由度が高まりました。
生鮮食品、生菓子などの物流が容易になったのです。

こうして便利になった現在の物流業者については
次の機会に続編でお話しましょう。
今日九州南部が梅雨明けしたそうです。やっと本土まで本格的な夏がやってきます。毎年梅雨の時期には本当に北海道が羨ましくなってしまいます。

でも先月北海道に行った際に北海道のローカルニュース番組を観ていたら、今年は本州よりも北海道のほうが梅雨みたいな天気だったようですね。6月は晴れが半分以下だったそうで、よさこいも雨の中での開催を余儀なくされました。たしかに北海道の人も今年は気温が上がらないってぼやいていました。

北海道物産展といえば、数ある物産展のなかでもやはり人気No.1です。郊外の百貨店でも物産展はやらないけど、北海道だけは例外というところもあるとかないとか。

北海道展の強みは米飯といわれる寿司・弁当、生鮮三品といわれる青果・精肉・鮮魚、そして和洋菓子がバランスよく大きな売上を持つところにあります。(近年ではアンテナショップといわれるセルフ販売方式のショップが好調なグロッサリー(瓶缶袋物)も一部ではかなり伸びているという話も聞きます。)

米飯・生鮮三品・和洋菓子の共通点は高単価であることです。だからこそ出展者も百貨店も経営効率の悪い臨時イベントでありながら物流費・宿泊費・交通費などを価格の中に織り込みながら売上を伸ばし、ひいては採算が合うのです。

ただ菓子がここまで伸びてきたのはここ15年ほどのことです。もちろん北海道物産展の歴史において以前から菓子は販売されていました。サザエ食品(おはぎ)、六花亭(ホワイトチョコ・マルセイバターサンド)、石屋製菓(白い恋人)、柳月(三方六)、わかさいも本舗(わかさいも)、三星(よいとまけ)などです。

私もこの業界に携わってまだ10年ほどですから昔のことは調べきってはいませんが、おそらく六花亭がホワイトチョコレート(日本で最初に流行らせたのは六花亭だそうです)・マルセイバターサンドを立て続けにヒットさせたのが70年代半ばです。

ホワイトチョコレートの引き合いが多くなったことで、他の千秋庵グループ店の営業テリトリーを荒らす形になった帯広千秋庵が千秋庵の暖簾を返上して六花亭というブランドを立ち上げざるを得なくなったのが77年でした。その後マルセイバターサンドで北海道物産展の行列アイテムになりました。

函館で創業した食堂が作るおはぎが有名なって札幌に進出し、デパチカにも出店したことで日本橋三越に店を持ったサザエ食品が全国の北海道物産展の常連だったのも80年ごろです。ですから北海道物産展における菓子の歴史というのは意外に長いのです。

その後80年代にロイズ(生チョコレート)、90年代にもりもと(ハスカップジュエリー)・ルタオ(ドゥーブルフロマージュ)・北菓楼(シュークリーム)・きのとや(スフレ)などが物産展に参入して北海道物産展で菓子が一定の存在感を持つようになってきたのです。

物産展の顧客は一般的には50代以上の女性が中心です。しかし百貨店がもっとも力を入れているのは20-40代の女性です。物産展でふだん来ないお客さんに来てもらう、というのも戦略のひとつですが、やはり力を入れている層の顧客に来てもらって他の階でも服等を買ってもらったほうが店全体の売上に貢献できるというのが百貨店の狙いでした。

その店北海道物産展は確実に菓子目当ての顧客を増やしたことで中心顧客の年齢層は30-45歳くらいに下がりました。知人の話ではベビー子供服のバーゲンと同時開催すると最も売上が大きくなるということもあるようです。確かに他の物産展に比べて会場でベビーカーの台数が多い気がします。

ここからいよいよ本題なのですが、菓子の特徴は流行り廃りが激しいことです。生鮮三品は品種改良でもしない限り新しいものは出てきませんから流行はありません。弁当は海鮮弁当かステーキ弁当が主流で、あまり流行というものをつくるほどの新奇性はありません(豚丼とか多少のトレンドはあるかもしれませんが)。

菓子はかつては5年から10年くらい、近年では2年くらいのサイクルでブームを繰り返しています。とくに2000年代になってから、ほぼ毎年のようにヒット商品が生まれています。やはりマスメディアに加えネットの普及もあるのでしょうか。

70年代前半:ホワイトチョコレート
70年代後半:マルセイバターサンド
80年代前半:おはぎ・白い恋人
80年代後半:生チョコレート
90年代:ヒット商品はないがマルセイバターサンド・白い恋人・生チョコレートが安定的売上。
90年代後半:ルタオ・もりもとなどが物産展に進出。菓子業者の参入相次ぐ。
00年ごろ:ロールケーキブーム(洋生ケーキの実演が増える)始まる。
01年:ストロベリーチョコレート(六花亭)がブーム。
02年:シュークリーム(北菓楼)が行列。
04年:プリン(フラノデリス)が大ブーム。全国でプリン人気広がる。
05年:ポテトチップチョコレート(ロイズ)人気拡大。
06年:ドゥーブルフロマージュ(ルタオ)が人気沸騰。ネットでも品切れ。
07年:開拓おかき(北菓楼)ヒット。道内限定でじゃがポックルも流行。
08年:生キャラメルが大ヒット。特に花畑牧場が伸びる。新規参入も相次ぐ。

このような流れの中で、過去最大級のブームが続いているのが生キャラメルです。(あるパティシエによればもともとフランスでは柔らかいキャラメルはあったそうなのですが、)興部のノースプレインファームが開発したのが最初です。それを大学で同窓だった花畑牧場の田中義剛さんも製造販売しだして人気に火が付きました。

テレビを中心にタイアップして巧みにPRしたことで、花畑牧場が出展した2008年の北海道物産展は大きく売上を伸ばしました。サブプライム・リーマンショックをものともせず前年比120%程度の売上があがったところもあります。

花畑牧場だけで池袋西武(08年9月)で4500万、新宿伊勢丹で2500万(09年2月)という話も聞いています。それぞれ会場の1-2割のシェアを持っています。それなら当たり前ですよね。売上が伸びるのは。

それに気を良くした百貨店は北海道物産展の会期を延長したり、開催回数を増やしているといいます。下の記事の通りです。

以下は7月11日付日本経済新聞北海道版より

東京の百貨店、道物産展が「救世主」に 高い集客力に期待

 北海道物産展が売り上げ不振に悩む百貨店の「救世主」として注目を集めている。北海道物産展はこれまでも百貨店で開催される物産展の中では好調な売り上 げを誇ってきたが、今年に入って東京都内の大手百貨店が開催期間を延長したり回数を増やしたりと一段と強化する動きが出ている。物産展は集客力が強く、他 の売り場への波及効果が大きい。物産展シーズンが本格化する9月には北海道人気の争奪戦が起こりそうだ。

中元商戦が終わって一段落した9月から、お歳暮商戦の始まる11月までの2カ月間が、物産展の秋の陣。今年は特に新宿、池袋で9月1 日から小田急百貨店新宿店と伊勢丹新宿店、2日から京王百貨店新宿店、3日から西武百貨店池袋本店で相次ぎ北海道物産展を開催する。「ここまで日程が重な るのは異例」(百貨店関係者)という。百貨店全体の既存店売上高は消費の冷え込みを背景に前年同月比で2けた減が続き、集客効果が見込める物産展をテコに 売り上げを伸ばしたいという意図が透けて見える。


引用終わり

新宿京王などは従来秋だけの開催を春にも増やしています。なかには、年2回だったのを3回に広げる動きもあるそうです。

私は個人的に危機感を持って眺めています。限界効用逓減の法則ではないですが、回数を増やせば増やすほど、飽きられることも早くなります。ブームの商品は少し足りないくらいがちょうどいいのです。

ましてや花畑牧場は都内の繁華街にも直営店を数店舗構えています。今回の秋に花畑で数字が取れる保証はありません。むしろだめな確率のほうが高いでしょう。花畑も生キャラメルがだぶついているらしく、有楽町のどさんこプラザなどにも売り込みをはかっているという噂も聞こえてきます。

物産展No.1の地位を安泰にするためにも、もう一度立ち止まって考えてほしいと思います。ましてや同じ商圏で同じ時期にぶつけるというのは愚の骨頂です。3年ほど前に京王と小田急が秋の北海道物産展をぶつけたことがありました。あのときの反省はないのでしょうか。

結局出展者がそろわずお互い中途半端な内容になったはずです。催事屋さんの付け入る隙が大きくなるだけです。出展者は囲い込みされたりしてどちらの百貨店にも嫌味をいわれて不愉快な思いをしているはずです。顧客も出展者も不在の不毛な消耗戦は止めたほうが良いのではないしょうか。
敵に塩を送るという故事があります。
これは戦国時代に甲斐(山梨)・信濃(長野)の武田信玄が駿河(静岡)の今川氏や
相模(神奈川)・武蔵(東京)の北条氏と対立して兵糧攻めに合った際、
やはり武田氏と対立していた越後(新潟)の上杉謙信が
人道的見地から塩を武田氏に送ったというものです。

(余談ですが武田信玄と上杉謙信が何度も戦った
川中島は現在の長野市の郊外です。)

このことが示すのは、山梨・長野には海が無いということです。
だから塩が入手できなかったのです。
これがもし南米や欧州のことであれば岩塩があったのですが。

物産展で海のものが無いというのは結構致命的なことです。
日本の食生活が欧米化したといっても、結局は魚がまだ売れます。
特に物産展のお客さんは年配者が多いのでその傾向は顕著です。

また物産展では加工度の低い生鮮品は売れません。
そういうものは地下で買うのが定着しているのと、
デパートから自宅まで帰るのに時間がかかる都市部では
近所のスーパーで買う人が多いのではないでしょうか。

また物産展の商品は小さいロットで宅配便などの
比較的割高な物流手段で運ばれます。

ですから鮮魚は特に「市場便」といわれる定期トラック便などで
全国各地から築地など都市部の卸売市場へ運んで来る商品のほうが
物流費も考慮すれば安かったりもするのです。

ちょっと長くなりますが、こんな理由もあります。
鮮魚の良いものは殆どが築地や大阪本場などの大都市圏に
送られてしまうという現実もあります。

たしかに大消費地ですから需要は多く高く売れる可能性はあります。
しかし昔から慣れ親しんできた地元の人が食べられないというのは
ちょっと複雑な気もします。

以上の理由で物産展では干物や珍味など加工した魚介類はよく売れます。
そして他の商品よりも値段が張るものも多く物産展の稼ぎ頭になっています。

だから北海道物産展は売上が大きいのです。
たしかに近年スイーツが売れてきたりしてはいますが浮動票に過ぎません。
売上の基礎票はあくまで蟹や鮭やたらこやいかの塩辛など海産物なのです。

その点海の無い県の物産展というのは非常に厳しいものがあります。
日本で海の無い都道府県は栃木・群馬・埼玉・山梨・長野・岐阜です。
こうして見るとあまり物産展でお目にかからないところが多いのです。
(岐阜は上野松坂屋で、栃木・群馬は船橋東武で開催していましたが)

その中で意外に物産展で見かけるのが長野物産展かもしれません。
やはり軽井沢・日本アルプス・スキー・温泉・善光寺など長野県は
観光資源が豊富だからでしょう。

以前にも書きましたが、物産展というのは出身である、住んだことがある、
観光などで行ったことがある、というのが来場動機になりやすいのです。

とはいえ長野でも単独開催ではなく新潟との同時開催が多いように思われます。
やはり海産物がないので商品が偏りやすく、売上を見込みにくいのでしょう。

ところがJR京都伊勢丹では長野県単独で物産展を開催しています。
これには理由があります。ちょうどお中元ギフトセンターを開設していて、
催物場が半分くらいしか使えないのです。

その面積であれば売上目標も高くなくて良いですし、
中元を買い求めるついでのお客さんが多いので
偏った商品構成でもなんとかなるのかもしません。

私はたまたま初日の昼過ぎに行ったのですが、
長野県のみにしては予想外に混雑していました。

小布施町の小布施栗菓製造の「栗福」という栗を模った金型で焼いた
今川焼きの生地のなかに栗あんと栗が1粒入ったお菓子(1個221円)や、
同じく小布施町の桜井甘精堂の栗どらやき(1個161円)、
長野市のいろは堂のおやきに大行列が出来ていました。

栗のお菓子に人気があるあたりは、さすが京都という感じです。
(いろは堂さんには申し訳ないですが)おやきみたいな素朴なものに
京都の人が並ぶのはちょっと意外でした。
東京なら理解できるのですが。

38267f8f.jpegこの日は梅雨の晴れ間で気温が上がり京都も33℃に達したのですが、
長和町の高原牧場の軽井澤ソフトクリーム(1本351円)は
ほとんどお客さんがいませんでした。
やはり30℃を超えるとソフトよりかき氷が売れるという法則は本当なのかも。


←名物の大階段も暑さで人がほとんどいませんでした。

そのほかにも軽井沢にも店のある東御市/アトリエ・ド・フロマージュのチーズ、ピザなど、
軽井沢町/カフェレストランPaomuのプリン、生キャラメル(!)、
駒ヶ根市/明治亭のソースかつ丼
(余談ですがソースかつ丼は福島県会津若松などにもみられます)、
安曇野市/就一郎漬本舗のわさび漬・野沢菜など、
上田市/みすヾ飴本舗 飯島商店のみすヾ飴、
長野市/八幡屋礒五郎の七味唐辛子
(東京やげん堀の中島商店、京都清水の七味屋本舗と並んで日本三大七味唐辛子です)、
軽井沢町/ジャムこばやしのジャム
(ここは非常に珍しい生のルバーブも販売してました)などもありました。

この中から3店でお買い物しました。
5f919387.jpegひとつはいろは堂のおやき6個(各181円)。
野沢菜・しめじ・野菜ミックス・ねぎみそ・かぼちゃ・切干大根を買いました。
正直に言って野菜ミックスと切干大根の味は同じに思えました。





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996d4e84.jpeg次は長野市/長野ハムの鶏の山賊焼(100g399円)3枚と
長野牛コロッケ(1個210円)2個入のお買い得パック1050円。
1200円分くらい入ってるんだとか。

家に持って帰ったので山賊焼は冷えて見た目硬そうですが、
○ンタッキーよりも柔らかく感じました。
コロッケの味付けも良かったです。
よくある業務用と違って甘すぎたりもせず、肉の旨みがしっかり出てました。

最後に中野市/味麓庵の炊き込みごはんの素、混ぜごはんの素各種(各368円)を
よりどり3つで1050円だったので買いました。
山菜きのこ炊き込みごはん、山菜まぜごはん、山菜じゃこめしを購入。
これはまだ使ってません。ちょっと暑い日が続いてるとごはんとかやっぱり避けますね。

信州うまいもの展は6日(月)18時までです。
後援:(特)信州・長野県物産振興協会
予算:2000万



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HN:
トーキョー物産展マニア
性別:
非公開
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